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2008年02月02日

扶養親族等の判定の時期

皆さんになじみのある扶養控除を説明しながら、「扶養親族等の判定の時期」について考えます。

扶養控除と言えば、皆さんも年末調整や所得税の確定申告において控除を受けているので、ご存じだと思います。
簡単にいえば自分の親や子供を扶養している場合に受けられるものです。

「扶養控除」は所得税法第84条に規定されています。

その内容は

第一項 居住者が扶養親族を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から、その扶養親族一人につき38万円(その者が特定扶養親族である場合には58万円とし、その者が老人扶養親族である場合には48万円とする。)を控除する。

第二項 二以上の居住者の扶養親族に該当する者がある場合には、その者は、政令で定めるところにより、これらの居住者のうちいずれか一の居住者の扶養親族にのみ該当するものとみなす。

第三項 第一項の規定による控除は、扶養控除という。

の通りです。

ここで、考えるのは扶養親族に該当するかどうかの判定についてです。

つぎの所得税法第85条に「扶養親族等の判定の時期等」という規定があり、
第三項において
 その者が居住者の老人控除対象配偶者若しくはその他の控除対象配偶者若しくは第83条の2第1項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者又は特定扶養親族、老人扶養親族若しくはその他の扶養親族に該当するかどうかの判定は、その年の12月31日の現況による。ただし、その判定に係る者がその当時既に死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。

とされ、該当するかどうかの判定は「12月31日の現況による。(判定に係る者が死亡している場合を除く。)」とされています。

たとえば、Aさんには一人息子B(特定扶養に該当しない。)がいて、3月までは扶養していたが、4月からは自立して働いている場合を考えます。(4月からは扶養家族ではない。)

Aさんの扶養控除は理論的には、3月まで扶養していたので

  年38万円×(3÷12)=95000円となります。(実際は扶養から外れるのでゼロです。)

Bさんの基礎控除(年額38万円)は同様に、3月までは扶養されていたので(12か月−3か月)

  年38万円×(9÷12)=285000円となります。(実際は一年分38万円です。)

しかし、このように理論通りに適用するとしたらどうなるでしょうか。

私は子供を3月まで扶養していた、私は子供を5月まで扶養していたというように、そのつど事実認定(判断すること。)しなければなりません。

このようなことは、理論的には可能ですが実務においては不可能です。

そこで、割りきって「12月31日の現況による。」としているのです。
理屈ではないのです。

ですから、12月31日に子供が生まれて扶養家族が一人増えた場合、たった一日でも一年分の38万円の控除を受けられるのです。
同様に、12月31日に結婚して相手の人が配偶者控除の要件を満たしていれば、たった一日でも一年分の控除を受けられるのです。

このように考えられて、「扶養親族等の判定の時期」は規定されています。

税の考え方は難しいようですが、このように税実務を考えて合理的に考えられてもいるのです。

本当によくできていると思いませんか。

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posted by 森 大志 at 16:20| Comment(19) | 所得税(個人の税金)

2008年01月27日

居住用財産の譲渡

居住用財産(その居住の用に供している家屋又はその敷地の用に供されている土地等)を譲渡した場合に3000万円の特別控除が受けられます(租税特別措置法第35条)が、この内容について考えます。

これは、「居住用財産の処分は一般の資産の譲渡に比して特殊な事情にあり、担税力が弱いこと等を考慮して、その家屋又は土地等の譲渡について、3000万円の特別控除を認めることを定めたものである。」(第一法規滑ァ、コンメンタール所得税法)
と言われています。

具体的には、3000万円で買った自宅(土地建物)を5000万円で売った場合に、その譲渡益2000万円(厳密には建物の減価償却費を計算しますが今回は無視して計算します。)に対して特別控除2000万円(最高3000万円、譲渡益の金額を限度とします。)が認められ、課税所得がゼロになる特例です。

譲渡代金5000万円−取得費3000万円=2000万円
譲渡益2000万円−特別控除2000万円=0

このような特例がどうして認められているのでしょうか。

「担税力が弱いこと等を考慮して」がキーポイントになります。

この特例は自宅を売った場合に適用がありますが、みなさんが自宅を売る場合を考えてください。

自宅というのは自分が住んでいる家ですから、自宅を売った場合次に住む家を買うのではないでしょうか。

上記の場合、自宅を5000万円で売ったので儲かったのですが、売った家と同じ程度の家を買う場合、やはり5000万円かかるのです。

そうすると、次に同じ程度の家を買った場合、購入するのに5000万円(諸費用は無視しています。)必要ですから、購入すると手元にお金は残りません。

こういう場合に、課税され税金を払わなければならないとしたらどうでしょうか。
税金を払うことにより、前より狭い家等に住むことになります。

ですから、担税力(税金を払う能力)が弱いと言われるのです。

また、5000万円で売れた訳ですから、譲渡益2000万円が発生しましたが、これは物価の上昇が原因だとすれば、名目的な利益です。

売った自宅を今買って、同じように譲渡したとすれば次のような計算になります。

譲渡代金5000万円−取得費5000万円=0

このような事情があるので、居住用財産を譲渡した場合は特別控除を認めているのです。

そして、うれしいことに「宥恕規定(ゆうじょきてい)」まであるのです。
(税理士森大志の税の考え方「血も涙もある宥恕規定」参照)

このように、税というのは厳しいだけではなく、納税者に対する配慮もあるのです。

最近の改正は変なものもありますが、本当に税法と言うのはよく出来ていると思います。

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posted by 森 大志 at 15:43| Comment(15) | 所得税(個人の税金)

2008年01月17日

地震保険料控除

今日は、あの阪神淡路大震災から13年になります。

昨年の年末調整でお気づきの方もいると思いますが、平成18年度の改正で所得税の所得控除である損害保険料控除が改組され、地震保険料控除が創設され平成19年度から適用になりました。

地震保険料控除制度の趣旨は、
地震災害に対する国民の自助努力による個人資産の保全を促進し、地域災害時における将来的な国民負担の軽減を図るとの観点から、地震保険控除を創設することとされました。
(叶ナ経刊「平成18年度版改正税法の手引き」より)

地震を原因とする火災による損害は地震保険に加入していないと保障されません。

税の機能には、政策目的実現のための機能がありますが、まさに地震にそなえて地震保険の加入を促進するために制度が創設されました。

このように税というのはいろいろなことを考えているのです。

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posted by 森 大志 at 09:03| Comment(5) | 所得税(個人の税金)
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